塾なし高校受験〜うちの田舎メソッド〜

2025年高校受験予定の中3息子、ポン助。進学塾も高校も無い町で、夢に向かって邁進中。中受残念組だろうが検定に落ちようが「僕は挑戦を止めない。」それでいい。常に仲間と明るく楽しく、全力で駆け抜ける田舎の中学生男子の日常。

中3・田舎の宿命

『こちらは防災〇〇です。

町内の〇〇地区で、熊の目撃情報が相次いで

寄せられております。付近に行かれる際は

充分ご注意願います。』

 

毎日の防災無線による町内放送で

ヒグマの注意喚起が行われている。

 

「って、出没地ここじゃねーか(笑)」

「あはは。まだ家の前には来てないから

大丈夫でしょ♪夜はヤバいけどね〜。あっ!

明日帰り遅くなるから、ポン助用の鈴

忘れないで車に持って乗ってね~!」

「ラジャー!これから自宅受験やるから

暫く部屋に籠るよ♪明日の模試何時?」

「午後からだから、いつも通りでいいよ。

朝ご飯食べたら出発しよ。頑張ってね!」

「了!」

 

先日暑くて

寝室の窓を網戸にして

簡易エアコンをつけたまま寝ていたら

自宅横の農道脇の深い草むらの中を

 

『ザザザッ…ザザザッ…ザザザッ…』

 

重量感のある大きな何かが

複数移動する音が

暫く聞こえていた。

息を殺して外を見ても

車道を外れると街灯すら無いので

月も出ておらず

漆黒の闇だった。

似た様な音はいつも聞いているので

間違い無く

野生動物の移動する音だろう。

 

横にアスファルトの道があるのに

真夜中に懐中電灯も持たず

人間はそんな所は歩かない。

 

稲刈りが終わり秋になると

エゾ鹿達が増えて来るので

最初は鹿かと思ったが

彼等は跳躍力があるので

深い草むらは

『ザッ ザッ ザッ』

軽く跳ねるような音を立てて移動する。

 

この前の移動音は

背の高い硬めの野草を

掻き分けたりなぎ倒したり

踏み付けて進むような

重い音が複数…

 

この辺りに出没しているのは

親子のヒグマらしく

直ぐ近くで

農地の整備作業を行っている

工事関係者が目撃している。

付近では糞も確認されたらしい。

 

もしかしたら深夜に

近くまで来ているのかも知れない。

子熊は可愛いが母熊は要注意だ。

幸い自宅は

1階部分が車庫と物置で

2階が居住スペースなので

窓を割って侵入される心配は無く

深夜に帰宅する主人も警戒している。

 

まあ

野生動物や自然との共存は

ここに暮らす宿命だ。

 

昨日の朝の通勤時には

海寄りの道路の真ん中で

国の天然記念物の

オジロワシが何かを食べていた。

私の車が近付くと

フロントガラスが覆われる程の

巨大な翼をブワッと広げて

真っ白な尾羽を見せて飛び立った。

 

そして気配を感じて横を見ると

草むらの中から

可愛らしい子鹿がこちらを見ていた。

 

そんな環境が日常のポン助は

模試などで都会に行く度に

あまりの高層建造物の多さに

いつも驚愕している。

 

この辺で1番背の高い物は…『電柱』。

 

きっとまた

明日も車窓からあちこち眺めては

全力で歌ったり叫んだりするのだろう。

 

都会のど真ん中で

背の高めな男子が

スマホ片手に写真を撮りまくり

その横で呆れながら

母親が一緒に歩いていたら

もしかすると

私達親子かも知れない…。

 

さあ

車内の飲み物や

眠気覚ましのエナジードリンクも買ったし

また頑張って走りますか〜♪