「おかえりー!見て見てー!!」
「はいはい。着替えてから見るよ。」
早出残業のフル勤務から帰宅後
待ち構えていたポン助が
私の周りをウロウロする。
2学期の終業式を終えて
沢山の手紙類や
通知表などを持ち帰って来た。
「上がったー!やったー!!」
「おーっ!頑張ったね!」
オール5には届かなかったが
評定合計が43→44になった。
こちらの地域は
中1中2は学年末評定合計を
それぞれ2倍
中3内申は同じく3倍計算するので
現時点での概算で
内申数値がさらに上がった。
正直
あと1科目の評定を上げるのは
努力だけでは厳しい領域と
諦めていたので
本当に嬉しかった。
「後は取れるだけ取る。」
「だね。」
「よっしゃー!冬休みだゼ!好きなだけ
勉強出来るー!フォー!!」
通知表の評定以外の欄にも
検定取得級や受賞歴など
ぎっしり記載されていた。
こちらは私立高校の出願時に
重視されそうなので
この田舎の学校でも取れる検定を
ほぼ網羅して来て良かった。
『芸は身を助ける』の如く
小学校の頃からの
ポン助の積極的な楽しい挑戦が
しっかりと形になって
ポン助と言う人物像や
学力と言う名の『戦闘力』を
確実に証明してくれる。
内申や評定が
ただの
『先生のお気に入り』や
『媚び上手』
『親の圧力』等で
手にしたものでは無いとの
明らかな裏付けとなるだろう。
“高校受験までに”と
大まかな目標を立てて
地道に挑んで来た
ポン助の
『戦闘力増幅作戦』は
紆余曲折あれど
とりあえず形になり
揺るぎ無い土台となった。
科目別にムラがあっても
少しくらい歪でも気にしない。
だって
家の前の雪道みたいに
多少ガタついたって
真っ直ぐ前だけ見据えて
やれる事は全てやって来たから。
後はもう
『これだけやって来たんだ』と
自分を信じるだけ。
そう
それだけでいい。