塾なし高校受験〜うちの田舎メソッド〜

2025年高校受験予定の中3息子、ポン助は中学受験残念組。進学塾も高校も無い町から1校のみの挑戦。しかしあと数問程度力及ばず、地元の公立中に進んだ。中学受験の内容も知らずに、事ある毎にネタにして馬鹿にする奴も居る。でも「楽しかった。僕は挑戦する事を止めない。」そう言い切った。常に仲間と明るく楽しく、全力で駆け抜ける田舎の中学生男子の日常。

そしてまた走り出す

いよいよ明日から3学期だ。

宿題も自由研究も全て終えて

スキー三昧のポン助。

練習オフの日は

久々のゲーム持参で

友達の家に遊びに行ったりもした。

受験が終わったら

遊ぶ約束をしていた友達とは

男女問わず

全員遊んでいた様子。


私は仕事の休みを利用して

ポン助の使用済みの

中学受験テキストやプリント

大量の問題集等を整理している。

正直まだまだ

終わる気がしない(笑)


憧れた学校に

あとほんの少しだけ

運と実力が足りなかった。

振り返ってみても

数々の模試では

いい勝負をしていたと思う。

ポン助本人も

それは納得していたので

精神的に落ち込みすぎたり

泣き喚いたりする事も無く

「あとちょっとの自分」を

冷静に受け止めていた。


ここまで落ち着いていられたのは

やはりアルペンスキーの

0.01秒勝負の世界で

子供ながらに数年間

戦って来た経験があるからだろう。


ウインタースポーツ王国北海道には

田舎や都会問わず

各種目ハイレベルな選手が

そこら中に存在する。

地区大会からすでに

全国や世界を目指す猛者が集結し

白熱した大会となる。

そこまでのレベルでは無くとも

各市町村や関連企業主催の

小規模な大会や草レース等も多く

実戦経験を積む機会も多い。

有名なスキー場では無くとも

引退した元オリンピック選手や

現役選手に偶然遭遇する機会も多い。

各地区に必ず存在する

親子代々スキー一家

幼い頃からスポンサーが付く子など

物凄いガチ勢にはさすがに敵わない。


しかしそれでも

スキーが大好きなポン助。

今まで出場して来た大会では

0.01秒差で表彰台を逃す悔しさも

何度か経験している。


勝負の世界で勝つ事

負ける事

そして挫折する事

戦略を立て直して

また這い上がる事は

もう何度も何度も経験しているのだ。


中学受験は終了したけれど

高校受験や大学受験

そしてその後の人生で

幾らでもチャンスはある。


いつの間にか

心の折れにくい子に育っていた。


それだけで良い。

簡単に折れない

簡単にブレない。


今日も大口を開けて笑いながら

貸し切り状態のスキー場で

友達と雪まみれになってはしゃぐ。


そして夕方からはサッカー練習。

ポン助のルーティーンが

日常に戻り始めた。


机の本棚と

部屋の本棚からは

中学受験用のテキスト類が消えて

高校受験用のテキストに入れ替わった。


「ね〜塾の模試とかテストとか無いの?」

「来月全道チャレンジテストあるよ〜。」

「本当?スキーの大会と被らないやつは

全部受けるから申し込んでー!」

「OK〜」


数検のテキストをやりながら

ポン助が叫んでいた。

「お母さ〜ん!数検のテキスト、

中学受験の問題より簡単だから

どんどん先に進んでも良い?何か

先の方に面白そうな単元あるから

早くそこに辿り着きたい!」

「好きにやっていいよ〜」

「イエ~イ!行くぜぃ!」

相変わらずタイマーで計測しながら

ガンガン問題を解いて行く。


算数から数学に移行しても

ゲーム感覚で楽しそうにやっている。

そのままで良い。

そのスタイルを貫いて行けばいい。

勉強が苦行になるよりずっといい。


さあ行こうか

いつものペースで歩き出そう。

そしてゆっくりと

また走り出そう。

もう振り返らなくていい

楽しみながら

前だけ見据えて

一緒に走り出そう。