塾なし高校受験〜うちの田舎メソッド〜

2025年高校受験予定の中3息子、ポン助は中学受験残念組。進学塾も高校も無い町から1校のみの挑戦。しかしあと数問程度力及ばず、地元の公立中に進んだ。中学受験の内容も知らずに、事ある毎にネタにして馬鹿にする奴も居る。でも「楽しかった。僕は挑戦する事を止めない。」そう言い切った。常に仲間と明るく楽しく、全力で駆け抜ける田舎の中学生男子の日常。

スカッと爽快

「♪チュ♡ 可愛くてゴメン〜

…ムカつ〜いちゃうよねざまぁ♪」

「キモいから早く着替えなよ〜(笑)」

「今日は皆スカッとジャ○ンだったんだ〜♪」

「何かあったの?」

「それがさ〜聞いてよ!!」

 

振り付けで歌いながら

帰宅するなり

ポン助の機関銃トーク炸裂。

 

授業中に

先生が生徒達に

問題を解く時間を与えて

指定された問題を各自で

ノートにやっていた時の事。

 

ポン助と仲良し中受コンビは

2人共秒で解いた後に

別解を一緒に楽しく

あれこれ考えていたらしい。

 

すると

同じく早くに解き終えていた

例のマウント君が

何やらイラつき始めて

まだ必死に解いている

他のクラスメイト達に向かって

 

「何でこんな問題も直ぐ解けないんだよ!」

 

ため息交じりに言い放ったらしい。

 

「はぁ?」

とあちこちから聞こえて

教室中の空気が凍り付き

怒りの視線が一斉に彼に向けられた。

一触即発の事態になりそうで

ポン助と友達が顔を見合わせたらしい。

「アイツ何言ってんの?ヤバくね?」

小声で呟いていると…

 

「〇〇君、君は口の利き方に

気を付けた方が良いよ。」

 

先生がマウント君に向かって

明らかにブチ切れているとわかる

ダークなトーンで冷静に嗜め

不穏な空気を一刀両断。

 

彼が同級生達に対して

完全に見下しまくった

失礼極まりない究極のマウントは

しっかりと先生の耳にも届いていたのだ。

 

まだ何か嫌味を言いたそうにしていたが

それ以降は黙ったとの事。

 

「もうね、先生がぶった斬ってくれたから

みんなめっちゃスカッとし過ぎて

あちこちで顔を見合わせて笑ってた。

その後はまた楽しい授業だったんだ〜♪」

 

「そんな事があったんだ。びっくりだね。」

 

「早く終わったんなら俺達みたく

別解やったりして待ってたら良いのに。

何で苛つく必要があるんだろ?

早く先に進みたいんだったらさ

出来るんだから勝手に自分で先取りして

家でやれば良いのに。それで学校では

授業を復習にして、確認したり教え合って

皆で楽しく進んだら良いじゃん。やっぱ

アイツわかんね〜。人を見下して不快にして

皆に嫌われて、俺にも嫌われて、しまいに

先生達に嫌われたら詰みだよ。」

 

全くその通りだ。

先に進みたいなら自分でやれば良い。

ポン助も友達もそうやって

自宅や塾でやっている。

 

公立中学生なので

先生達は必ず

学習指導要領に沿って

指導しなければならない。

授業は成績上位層では無く

中堅層に合わせた内容と

学習ペースになっており

グループワークを多用して

ディスカッションしながら

自然に上位層が下位層に教えて

落ちこぼれを極力作らずに

中堅層に引き上げる様になっている。

 

それを楽しめない上位層の子は

『何で授業のペースが遅いのか』

『何で出来ない奴等に我慢して

合わせなければならないのか』

『何で出来ない奴等に自分が

教えてやらなければならないのか』

『出来る奴だけのクラスがいい』

『授業が簡単過ぎてつまらない』

沢山の不満があり

時折その不満を周りに撒き散らす。

 

こうなってしまうと

優秀なだけに

先生達が手を焼いてしまうだろう。

ある意味授業妨害レベルだ。

だったら最初から中学受験して

進学校に行ったら良かったのだ。

そんな度胸も自信も無かったのなら

現在の自分の置かれた環境の中で

素直に学ぶしか無いのだ。

 

ポン助には

中学受験不合格後

公立中に進む事になった時に

授業の受け方について

しっかりと話した。

 

中学受験勉強のレベルは

小学校高学年で

中学内容はほぼ終了状態なので

最初は簡単で

拍子抜けしてしまう事もあるだろう。

でも中受していない皆は

初めて学ぶ内容なので

ポン助も1からやり直すつもりで

ゼロからスタートする気持ちで

皆と一緒にしっかり学ぶべきだ。

解っているからと言って

友達を馬鹿にしたり見下したら

自分で自分の価値を下げる事になる。

そんな奴とは誰も関わりたくは無い。

そんな奴が委員などになっても

絶対に誰もついて行きたくは無いし

一緒に係の仕事もやりたくは無い。

同じ相手に何度も何度も見下され

馬鹿にされ続けた事があるポン助なら

どんな気持ちになるか解るだろう。

その後の相手に対しての

見方や付き合い方が

全て変わってしまう事も解るだろう。

そしてそんなクラスの和を乱す奴を

大人である先生達が

見抜けない筈は無いのだ。

そうなれば学校ではもう

常に厳しい目で見られるだろう。

 

だったら逆に

先生達が授業をやりやすい様に

楽しく盛り上げたり

わからない子に教えたりして

先生のサポートをする方がずっと良い。

勿論自分の為にもなるだろう。

学校では常に視野を広く持ち

自分が今最優先にやるべき事をやる。

先生や友達や先輩後輩 

手伝いが必要な人を瞬時に見極める。

人の気分を害さずに楽しく

それらがスムーズに出来てこそ

自然と周りに人が群がる。

そしてその領域にはもう

“出来るアピール”や

“マウント”など存在しない。

お互いをリスペクトし合い

得意分野の知識を持ち寄り

高め合える仲間達と

毎日楽しく過ごしたら良い。

 

自宅ではリラックスしてやって良し。

ゲームやスマホとの付き合い方も

自分でしっかり律する事。

勉強計画はきちんと立てる事。

家ではハイレベルな問題集や

模試や検定の学習など

自分のやりたい勉強をやり

好きなだけ先に進んでも良い。

夜は遅くとも日付け変更前に寝る事。

 

 

ポン助とは

中学生になるタイミングで

ざっとこんな話をしていた。

 

一人っ子でよく話すタイプなので

日常生活の中で

あれこれ話す方が多いが

「人として最低限心掛けて欲しい事」は

最初に全て話して来たつもりだ。

 

学校で何処まで実践出来ているかは

先生達でなければわからないが

面談等で話を聞く限り

自然体で楽しくやっているみたいなので

このまま卒業まで

明るく楽しく全力で

何事も無く過ごして欲しいと思う。

 

 

スカッとして気分が晴れたポン助は

鹿の鳴き声を聞きながら

今日も机に向かい

全集中で塾レベルのテストを

5科目通しで

楽しそうにやっている。

 

部活も楽し過ぎて

毎日ハイテンションだが

勉強とのメリハリのバランスが

最高の状態らしい。

 

さあ

このままモチベーションを維持して

テストラッシュに突入しようか♪