塾なし高校受験〜うちの田舎メソッド〜

2025年高校受験予定の中3息子、ポン助は中学受験残念組。進学塾も高校も無い町から1校のみの挑戦。しかしあと数問程度力及ばず、地元の公立中に進んだ。中学受験の内容も知らずに、事ある毎にネタにして馬鹿にする奴も居る。でも「楽しかった。僕は挑戦する事を止めない。」そう言い切った。常に仲間と明るく楽しく、全力で駆け抜ける田舎の中学生男子の日常。

冷たい誘惑

「学校でさー、学年末テスト計画を

立てる時に、誘惑に負けないって項目で

皆はスマホとかゲームとかって書いてたけど

俺は冷蔵庫だったんだよね。そしたら何故か

クラス中爆笑になったさ。」

「出た。“冷蔵庫パカパカ星人”(笑)」

「それそれ。それも言ったら更に大爆笑。」

「だって本当だし(笑)」

「俺の日常でクラスに笑いを提供したよ。」

「あはは。ま、良いんじゃない?」

 

勉強中に眠くなったりすると

気分転換の為に

よく冷蔵庫を開けるポン助。

冷たいアイスや強炭酸ジュースで

リフレッシュして

目を覚ます目的だ。

 

しかし

勉強の誘惑の元が冷蔵庫とは

普通に聞いたら「?」だろう(笑)

そりゃ爆笑も起こる筈だ。

 

一般的な誘惑の元のスマホ

LINEのチェック等をするだけで

学校から帰宅後に1回

寝る前に1回見る程度だ。

勉強中はずっと

リビングに放置してある。

 

もう1つの誘惑の元のゲームも

ずっとリビングのスタンドに放置してあり

時間のある土日に1時間やっている。

最近のお気に入りは「スイカゲーム」らしい。

 

参観日にも足を運んだが

珍しく道徳の授業だった。

多感な時期なので

スマホ関連のトラブルや

考え方のすれ違い等が書かれた話を読み

皆で話し合ったりしていた。

 

感情の起伏の大きな友達について

班であれこれと意見を出していた時に

何故か私の方を見て

「本当の事を言っただけなのに

めっちゃキレる奴。」

と例のアンチ君が言っていた。

 

もしや私に言ったのか?

それはポン助の事なのか?

親が居るから強気だったのか

何だか良くわからないが

その言葉だけはっきりと

私に聞こえる様に言っていた。

 

その「本当の事を言っただけ」で

どれだけの子が傷ついて

どれだけの子が距離を置いているのか

実感していないのだろう。

 

“自分は何も悪くない。間違っていない。

事実しか言っていない。事実を言われて

馬鹿達が勝手に傷ついて騒いでいるだけ。”

 

あの時の信じられない言葉の数々は

本人も親も結局そう言う思考だからこそ

当たり前の様に言えたのだなと

妙に納得した。

 

帰宅後ポン助に話すと

最初とても驚いていたが

「まあ、そうだろうね。皆わかってるよ。

俺が発表したり褒められたら、あからさまに

いつも嫌な顔するし。先生も常に見てるよ。」

と言っていた。

 

素晴らしい授業をして頂いても

2度と分かり合えない人間も居る。

それは仕方の無い事だから。

 

残りの学校生活は

分かり合える仲間達と一緒に

笑顔が溢れる時間を過ごそう。

 

嫌な奴に使う時間は無い。

あと1年で高校受験がやって来るのだ。

 

 

中2の評定が確定する学年末テストは

範囲も広く絶対に落とせないので

ポン助は冷蔵庫の誘惑に負けず

全科目頑張らねばならない。

 

北海道は内申点のランクで

ある程度受験出来る高校が

決まってしまうので

高ければ高いほど有利だ。

 

一応絶対評価と謳ってはいるが

水面下では

成績を付ける先生の裁量や主観も

かなり入るので

時には理不尽な評定だったり

調整されたりもするらしい。

 

よくあるのが

主要5科目の高い子が

実技科目で低めに付けられたり

逆に

勉強の苦手な子の

副教科の評定を高くして

壊滅的な内申点を回避させたり

そんな非公表の調整も

行われている。

ポン助も実技科目で

納得の行かない評定を貰った時には

教科担任に

何をどうしたら上がるのか

直接質問しているらしい。

 

まあ

真っ当に頑張っていても

水面下で調整されてしまったら

どうにも出来ないのだが。

ランクが1つでも下がってしまえば

田舎から都会の進学校に挑戦するには

圧倒的に不利になってしまう。

そうなると後の選択肢は

内申点不問で

当日点勝負出来る学校のみ。

格安で通えるならば

市立や私立高校も視野に入れている。

 

最終的に決めるのは

ポン助本人なので

今やるべき事は

行きたいと思う全ての高校に

手が届く様にやるだけ。

 

時折苦戦しながらも

戦闘力を上げる為

検定と言う名の武器も

地道に手に入れている。

 

「落ちるのは怖くない。実力が足りないだけ。

何が足りなかったのか、後は何をどれだけ

やれば受かるのか、そこから学べる。僕は

そのやり方しか出来ないからさ、どれだけ

バカにされても笑われても、挑戦してみて

失敗から全て学ぶんだ。高校受験は何校か

挑戦したいと思ってるよ。“高校生”には

なりたいからさ〜♪」

 

好きなだけ挑戦すれば良い。

もう馬鹿にされても笑われても構わない。

究極の耐性はもう手に入れてある。

 

でも

かけがえのない仲間の誰かが躓いた時には

全力で寄り添ってあげよう。

心無い言葉の刃から守り抜いてあげよう。

自分がそうして貰った様に

皆のお陰で立ち上がれた様に

心身問わず誰かの支えになって行こう。

 

誰かを傷付けたら

その傷の分だけ

いやそれ以上の大きな大きな傷になり

いつか巡り巡って

全て自分に返って来る。

 

だから人を傷付ける事は即ち

自分を傷付ける事なんだと

どんなに傷付けられても

自分からは人を傷付けるなと

ポン助には小さな頃から

ずっと言い聞かせて来た。

 

「納得する事がありすぎて怖い。」

 

いつかポン助が言っていた。

心も体も成長した今

その意味がわかる事が

沢山あったのだろう。

 

 

小中高大等と

生涯の友に出逢えるタイミングは

人それぞれだが

“幼馴染”と呼べる仲間達には

もう既に沢山出逢っている。

ここからどんな付き合いになって行くのか

私も楽しみながら

見守って行こうと思う。

 

「アイス食べて良い?」

「いいよ。明日の準備出来たの?」

「出来たよ♪楽しみだ〜!」

 

今日も冷たい誘惑に負けて

アイスを頬張るポン助(笑)

 

明日から

楽しみにしていた合宿だ。

 

また早起きして

夜明け前から走り出そう♪