今日のポン助は
午前中部活に顔を出し
帰宅後猛烈に勉強タイム。
夏休みの宿題は
文章系の大物以外
ほぼ終わったらしい。
夕方からは
友達と約束をして
夏祭りに繰り出した。
夜の花火大会が終わるまで
満喫して来た様子。
夜にお迎え場所の
コンビニに行くと
仲間達と賑やかに
満面の笑顔で帰って来た。
車に乗り込んだ瞬間に
機関銃トーク全開!
本当に楽しかったみたいで良かった。
いよいよ今年が
乳幼児の頃から
ほぼメンバーが変わらない
幼馴染達と過ごす最後の夏となる。
転入・転出は
ポン助15歳になるまで5人以下。
付き合いが長過ぎて
お互いほぼ『名前呼び』。
『親友』と呼べる子もいる。
『友達』と呼べる子もいる。
『仲間』と呼べる子もいる。
『戦友』と呼べる子もいる。
『ライバル』と呼べる子もいる。
『憧れ』ていた先輩もいる。
『尊敬』している先生達もいる。
『成長』させてくれた指導者達もいる。
『初恋』だった子もいる。
『元親友』だった子もいる。
共に成長して来た仲間達と離れ
ずっと繋いで来た皆の手を
静かに放し
全て置いてこの町を出る。
それは3年前にも
1度覚悟していたが
中受不合格で
3年延びただけ。
多感な思春期を過ごす場所を
神様が地元(ここ)に決めただけ。
とっくに覚悟は決まっていた。
でも
皆と楽しい時間を過ごしたらきっと
避けられない別れの時を思い
悲しくなってしまう。
本当は
夏祭りに出かける事自体
少し悩んで躊躇していた。
「やっぱ行かなくても良いかな…」
なんて言いながら
現実逃避みたいに
猛烈に勉強していた。
「逃げんな。うだうだ言ってないで
ちゃんと思い出作っといで。そして
それ全部持って出て行くんだよ。」
私がそう言うと
「そうだよな。」
と言って
出かける準備を始めていた。
そして
いざ行ってみれば
やっぱり楽し過ぎて
時の経つのも忘れる程だった。
「…やっぱお前は町を出た方が良い。
絶対に勿体無いよ。俺はそう思う。
きっと皆もそう思ってる。」
花火を見ながら言った
1番の親友の言葉が
ポン助の背中を完全に押した。
支えてくれる多くの仲間がいる。
ポン助にとって
これ以上の財産は無いだろう。
そして
その仲間達の思いを乗せて
次の挑戦へと向かって行く。
あの挫折と絶望と裏切りの中で
枯れるほど泣き尽くしても
絶対に諦めなかった
『夢』を獲りに行く。
揺るぎないものがあるから
簡単には折れない。
それはこれからも変わらずに
さらに強い力となって
ポン助を支え続ける。
そして
あの花火よりも大きな大輪となって
闇を照らす大きな光の様な存在になれたら
きっとその時
全ての夢が叶うと信じている。