塾なし高校受験〜うちの田舎メソッド〜

2025年高校受験予定の中3息子、ポン助。進学塾も高校も無い町で、夢に向かって邁進中。中受残念組だろうが検定に落ちようが「僕は挑戦を止めない。」それでいい。常に仲間と明るく楽しく、全力で駆け抜ける田舎の中学生男子の日常。

中3・突き指しても

「あ〜!小指が痛い〜!」

「どした!?」

「学校で突き指した。」

「ゲッ!腫れてる?動かなかったり

激痛や内出血酷かったら病院行くよ?」

「いや、動く。ちょい腫れ程度で

内出血は無いから大丈夫。」

「右なら文字書くの痛いね。その後の授業

どうしてたの?」

「バレー部の〇〇がテーピング巻いてくれた。

流石に慣れててめっちゃ速かった!!」

「そっか。ちゃんとお礼言ったの?」

「言ったよ〜ん。」

 

軽い突き指だったらしく

昨夜は風呂上がりの寝る前に

小さく切った湿布を貼って

テーピングで固定した。

 

湿布の副作用で

喘息発作が誘発された事もあるので

貼付剤も慎重になるが

自宅で使用している物は大丈夫だ。

 

「文字書きすぎて痛い〜!」

「小指の下に何かクッションになる物

置いたら良いんじゃない?」

「いや、湿布とテーピングで乗り切る!」

「そうか。頑張れ。」

「行くぜー!フォー!」

 

 

週末には

自宅受験と会場受験の

2つの進学塾模試を控えており

大量演習中のポン助。

 

本日

小さく名前が掲載された

総合資料が到着したが

結果表は数日前に到着して

自分の立ち位置は確認済のため

大して見向きもせず

さらっと眺めて放置。

そして直ぐに机に向かった。

 

かなり不調だった夏の道コンから

若干エンジンがかかって来た様子。

 

「次はもっと上目指すよ。」

「何か面白くなって来た。」

「この感じ、やっぱゾクゾクする!」

「今、いい所だからちょっと待って〜!」

 

演習中の口癖は

マニアックにも程があるが

急ぎでは無い用事で

うっかり私が話し掛けると

待ったをかけられる事もある。

 

競う相手が増えるほど

楽しくなるのだろう。

中3になり

確実に受験生が増えて来た道コン

まさに『点取りゲーム』そのものだ。

点数を取れば取るほど

自分のランキングが上がり

各地区の強者を掲載する

総合資料と言う名の

スコアブックに掲載される。

SSと言う戦闘力が上がれば

スコアブックに掲載される位置も上がり

合格出来る学校と言う名のステージが増え

合格判定数値が上がり

高校の選択肢が増え

ラスボスの第一志望校クリアとなる。

 

これは

道コン以外の塾模試でも同じだ。

行ける時に外部生として次々に参戦し

立ち位置を確認しながら

じわりじわりと上げて行く。

 

『田舎過ぎて町に進学塾が無い』

『そもそも町に高校が無い』

『近所にヒグマが絶賛出没中』

『家から10km先の学校まで

道路の信号機が2基しか無い』

『屋根裏に蛇が住んでいる』

『春に家の前にエゾ鹿の角が落ちていた』

 

などの田舎の日常を

都会の通塾生と時折話すのが

楽しいらしい。

 

 

「まだあの時のポン助では無さそうですね。

まあ…模試を求め出したので、そろそろ

始まりますかねぇ?」

「どうだかね。ま、動き出したのは

間違い無いかな?」

「どこまで行けますかね?」

「行ける所まで。一択。」

「また信じて応援しますか♪」

「いや、最初から信じてるし!」

「そうですね♪」

 

道コンの結果表を見ながら

主人が笑って呟いていた。

 

小6の時もそうだった。

春頃までは

中学受験のレベルに

ついて行くのがやっとだったが

基礎を全て終えた夏頃から

模試ラッシュが始まると

一気に上がり始めた。

 

全統小や塾模試

道コン発展編など

受けられる物は全て受験した。

志望校の冠模試も楽しく受験した。

道コン発展編の

賞状を2枚手にした後に受けた模試で

総合資料でポン助の順位を見たと言う講師に

どちらの塾かと聞かれ

通塾はしていないと言うと驚愕された。

 

通塾生ならば

模試は自分の塾で受けられる。

ポン助はオンライン生なので

テストや模試は全て

自宅に郵送されて来て

期日までに返送する。

結果はタブレットに配信されたり

答案の現物は後日戻って来る。

偏差値や順位は

正式では無く相当値。

 

レベルの高い塾生達と真剣勝負をして

自分の正確な立ち位置を知りたくても

そんな環境が無いので

いつも夜明け前から爆走して

都会で会場受験して来た。

 

最初はどんな塾も

どこの田舎の無知な馬の骨が

都会のレベルを知らずに

興味本位で

のこのこやって来たのかと

打ちのめされて帰るが良いさと

鼻で嘲笑う様な態度だ。

 

「うちの塾模試は難しいと思いますよ。

簡単に満点が取れる学校のテストとは

明らかにレベルが違いますので、悪くても

あまり落ち込まないで下さい。」

 

はっきり言われた事も沢山ある。

さすがに

「大丈夫ですか?解けますか?」

と言われた時にはカチンと来たが(笑)

大人なので

低姿勢に爽やかな笑顔で返した。

 

「どこまで頑張れるかわかりませんが、

是非挑戦させて下さい。」

 

 

しかし人間は正直だ。

受験後

結果が出た後には

講師陣の対応が豹変するのが面白い。

 

自宅での勉強方法や使用教材

通信講座やオンライン塾などについて

猛烈に質問を受けた記憶。

 

「塾生達の良い刺激になりました。

この成績ならば確実に上位クラスです。

志望校の合格圏内に入りました。」

「解答解説授業は、塾生よりも楽しそうに

真剣に受講されていました。」

「次回の模試も、近くなりましたら

DM等でお知らせしますので、是非

また会場受験にいらして下さい。」

 

営業トーク炸裂でも

最初は見下しまくっていた大人達から

受け入れて貰えたり

褒めて貰えるのが嬉しかったポン助。

体験授業が受けられる時には

全力で楽しんでいた。

 

 

模試を楽しむ姿勢は

あの頃と何も変わらない。

 

変わったのは

「それでも落ちる」

という事実を知った事。

 

そしてそれが

どれだけの物なのか。

自分の周りが

どれだけ変わってしまうのか。

 

全て身を持って知ったから

可能な限り時間をかけて

完全に仕上げて行く。

 

あの頃から

心も体も成長して来た

現在のポン助が

『行きたい』『ここで学びたい』

と強く思える学校に

今度は確実に手が届く様に

全方位抜かり無く固めて行く。

今度は選択肢を増やして

全ての可能性を広げておく。

 

3年前のあの日

自分自身に誓ったんだ。

 

どんなに悲しくても辛くても

苦しくても痛くても

 

次は必ず掴み取る

『合格』の2文字を

 

だから今日も

いつも通りに

ただ

全力でやるだけなんだ。